コース名 「特別企画 日本遺産って何ですか?」
昨年度文化庁から太宰府遺跡群が「西の都太宰府」として「日本遺産」に認定されました。
当会ではそれを記念して 「日本遺産」って何だろう?をテーマに多くの皆さんに知ってもらおうと特別企画として当市教育委員会文化財課の井上信正さんに解説をお願いし秋のコースのトップに設定しました。同氏は 文化財行政の中軸でもあります。
集合地の西鉄二日市駅にお客様25名スタッフ13名都合38名の大部隊が集まりました。
当日は生憎曇り空ながら 午前中は何とか・・・と願いながら総括説明を聞きました。
日本遺産とは?単体遺跡ではなく相互に関連するストーリーが対象との今日の全体遺跡の概略説明があり、次の客館跡地に進みました。
看板を説明しながら鴻臚館との関連・建物配置等からの推測、その意味で又まだ未発掘の線路西側への期待が持たれます。
次は王城神社、大宰府の条坊制は長安方式で政庁が北の中心にありますが周礼方式では当地が中心になり、その真南が基山となる由、
あと付近にある飛梅の原木と伝承を聞いて
榎社に引き返し左遷された道真公が足かけ3年過ごしたと言われる南館の説明を受けました。
場所は朱雀大通りに面し条坊でいえば4区画(約180m×約180m)の面積を持つ屋敷跡で、幽閉されたと言われていますが、結構広くて良い場所にあった様です。
往時の朱雀大路を歩き、御笠川を渡ったところにあった朱雀門の礎石を見た後、蔵司の建物跡に進みました。
蔵司は兎に角 謎の多い区画で地名から倉庫跡だろうと言われてきましたが、今回発掘された建物の用途もまだ結論が出ていません。
今回井上説では政庁の賓客に対する供応の場所だったのでは・・・との説を拝聴しました。少なくともこの付近の建物が倉庫ではないのは確実な様です。 只 供応施設なら食器類・厨房器具類の発掘が待ち遠しいところです。九歴さんの発掘はまだまだ続きそうなのでその成果を期待しましょう・・・。
最後は政庁の南大門・中門を経て、往時の玄宗皇帝の使者に倣い政庁中央を歩き
正殿跡に全員集まり仕上げの解説を拝聴しました。同時に皆様から自然発生的に井上氏に対し感謝の拍手が贈られました。
最後は「歩かんね太宰府」の恒例である正殿での霊気体感を冨永理事長の音頭で行い正殿から吹き上がる大野山の霊気を胸一杯吸って頂き、今日最後シメとさせて頂きました。皆様 如何でしたか?お疲れ様でした・・・・。
2016.9.22 ボランティアガイド 市川記