11月18日(日)、「太宰府の伝説をたずねて1」で通古賀辺りを案内しました。前回まで穏やかな暖かいにだったのに、当日は急に冷え込み、いまにも雨が降りそうな天気でした。にもかかわらず、微笑ましい親子連れやご夫婦など、13名の方に参加していただき感激でした。寒さのため言葉が詰まったりで聞きづらいところが多々あったにもかかわらず、皆様には最後まで熱心に聞いていただき感謝しております。と、同時に自分の未熟さを痛感し、参加してくださった方々に喜んでもらえるように努力と工夫をしなくてはと肝に銘じました。
通古賀は奈良時代の頃、筑前国衙が置かれたところと伝えられ、菅原道真公ゆかりの榎社や王城神社など、歴史と伝承が数多く残るところです。二日市駅を出発して、飛梅伝説の原木を見てから、松田家へと向かいます。
松田家に祀られている薬師如来坐像は「通古賀のお薬師様」と親しまれ、16世紀頃の伝承が語り継がれています。また筑紫西国八十八ヶ所の札所の一つとして、春と秋の彼岸にはお遍路さんがお参りに来られるということで、現在でも松田家では接待して迎えられているそうです。今日は私たちも温かいお茶とお菓子でおもてなしを受け、体の芯まで温まりました。
田中家の庭には三条實美卿のお手植えの松と、その謂れを刻んだ石碑が見えます。庭はいつもきれいに手入れがなされ、大事に守り続けておられる田中家の人々の温かい気持ちが伝わってきます。ありがとうございました。
榎社には道真公の命の恩人でもあり、何くれとなくお世話をされた浄妙尼の祠があります。道真公が亡くなられた折り、道真公の好物だった米粉で作った団子を焼いて、梅の枝を添えて差し上げたそうです。それが梅ケ枝餅の始まりと言われているということを聞くと、みなさんびっくりしたり、納得したりと様々でした。
榎社の道路沿いにある鶴の墓の伝説は、アニメ「日本昔ばなし」にも放映されたことのあるお話で、とても空想的なお話でしたので皆さんも楽しく聞かれていました。
昔ながらの路地を懐かしく通りつつ、清明の井にやってきました。昨今は女性にも人気のスポットで、陰陽師・安倍晴明が開いたと伝えられる井戸です。干ばつの時も、この井戸だけは涸れないと言われています。祠には三角形板状の石が置かれ、水を守る神様を表しています。今は水の流れが変わり、水はなくなってしまっており、皆さんちょっと残念そうでした。しかし、その周辺はきれいに掃除がされていて、地域の人々が大切にされていることがうかがえます。そばにある大きなエノキは老木であまたの風や雨にさらされ、あちこち補強され痛々しく見えますが、いまもなおこの地の人々を見つめているようです。
最後に紹運の首塚と般若寺をご案内して、二日市駅に無事到着しました。皆様、おつかれさまでした。(ガイド:富田サナヱ)
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